地震ニュース
日本地震前兆現象観測ネットワーク 4654 '19 10/24
①『本日の地震4回』
24日19時10分 薩摩半島沖 M3.2
24日04時10分 石垣島近海 M4.4(最大)
24日03時12分 和歌山県沖 M3.8
24日00時02分 浦河沖 M3.9
②『本日のイオノ』
赤20個。急増。
未精査。
③[らららクラシックで伊福部昭氏の音特集楽』
今日も伊福部昭の音楽が再放送された。
10:25からである。
アイヌの熊祭りの踊り「シンフォニア・タプカーラ」も演奏された。
生命力に溢れ、生きる力が湧き出る元気を与えてくれる名曲だ。
ゴジラファンは既に録画されていると思うが、らららクラシックがこれを取り上げるというので楽しみに待っていた初回放送時、当地震ニュースに書こうと思っていたが忙しく触れずじまいだった。
④『緊急地震速報』アラーム音 』
以前、JG7MER局長からアラーム音 誕生の由来について下記が送られていたので併せて本号に引用させてもらった。
なかなかの力作で多くの人に知ってもらいたいと思っていたからである。
⑤「緊急地震速報』」ラーム音 誕生の由来(JG7MER)
最近、テレビやラジオで、『緊急地震速報』 のチャイム音 を聴く事 が増えた。
「緊急地震速報」 とはそもそも、地震の初期微動(P波)を捉え、強い揺れ(主要動 / S波)が来る前に警戒を促す為のもので、2006年8月より限定的に提供が開始された。
翌年、2007年10月からは一般への提供も始まり、例のチャイム音はこの時から使われているのである。
今回はあの「緊急地震速報」 アラーム音 が、何故、あの音に決まったのか? 深く掘り下げてお話しする事にする。
地震は、P波と呼ばれる小さな揺れの後、S波と呼ばれる大きな揺れが来る。
緊急地震速報はこのP波を捉え、地震の規模や震源地を予測し、大きな揺れのS波が来る、数秒から数10秒前に発表する。
気象庁では、震度5弱以上と予測された時に発表する。
但し、震源の近くでは情報が間に合わない事もあり、予測震度で±1程度の誤差があるといった、技術的な限界もある。
然し、僅かな時間を活かして、地震の被害を減らす事が出来るものと期待されている)
⑥『「緊急地震速報」ラーム音 誕生の由来(2)』
【生みは叔父作曲の「クラシック」のテーマ曲だった】
緊急地震速報のチャイム音については、先の震災直後、 「映画「ゴジラ」のテーマ曲を元に作られたものだ」という噂がネット上を中心に流れた事 がある。
とあるホームページでその様に紹介されたのがキッカケらしい。
結論から言えば、この噂は事実と異なるのだが、それでも全くの事実無根という訳ではない。
筒井信介氏著書 の 「ゴジラ音楽と緊急地震速報」
あの警報チャイムに込められた福祉工学のメッセージ は、その名タイトルが示す様に「ゴジラ」の映画音楽と、緊急地震速報の浅からぬ関係を明かすと共に、福祉工学という世間的にはまだ耳慣れない学問分野について、伊福部 達氏 の研究を辿りながら紹介したノンフィクションである。
ここで 「伊福部」 という苗字にピンと来た人もいるかも知れない。
そう、あの 映画「ゴジラ」の音楽を手掛けたのは、伊福部 昭、実は、 緊急地震速報のチャイム音を制作した 伊福部 達 は、伊福部 昭 の甥(兄の息子) にあたる。
達氏はNHKからの依頼で、緊急地震速報のチャイム音を作るにあたり、そこに叔父の作品を素材にしようと思い立った。
だが、そこで 彼が採用したのはよく知られた「ゴジラ」のテーマ ではなく、交響曲「シンフォニア・タプカーラ」 であった。
くだんのチャイム音は、同曲の第3楽章「Vivace」の冒頭に当る、5つの和音の部分をアレンジして作られている。
達氏が数ある叔父(昭氏)の作品から 「シンフォニア・タプカーラ」 の当該箇所を選んだのは、それがチャイム音に必要な、“適度な緊張感”と“インパクト” を持っているからだった。
だが選曲の理由はそればかりではない。
そこには、叔父の音楽、取り分け一般的には余り知られていない、純音楽の作品を後世に残したいとの思いもあったという。
もっとも非常時に鳴る音に自分の思いを込める事には、公共物を私物化するような躊躇も達氏の中ではあった様だ。
だが制作期間も殆どなかったため、NHKにはその心情を伝えて理解して貰ったという。
しかも、 この仕事の依頼を、「人の生死を左右する事にも成りかねず荷が重い事、また自分は作曲の専門家ではないから」 と一旦は断っていた。
⑦『「緊急地震速報」ラーム音 誕生の由来(3)』
緊急地震速報アラーム音の由来となる音源の原型、
「シンフォニア・タブカーラ第3楽章 Vivace」 を作曲した、伊福部 昭氏。
かの有名な映画「ゴジラ」のテーマ曲を手掛けたのは、正しく氏ご本人である。
【叔父・昭氏の映画音楽の機能として掲げた原則の応用と、チャイム音による映画音楽仕様のメッセージ性】
しかし、緊急地震速報チャイムが、福祉工学を専門とする達氏に、依頼されたのにはそれなりに理由があった。
NHKでの最初の会議で、達氏が 緊急地震速報チャイムに求められる条件 として、提示した次の5つの項目 からもその一端が伺える。
(1) 注意を喚起させる音であること。
(2) すぐに行動したくなるような音であること。
(3) 既存のいかなる警報音やチャイム音とも異なること。
(4) 極度に不快でも快適でもなく、あまり明るくも暗くもないこと。
(5) できるだけ多くの聴覚障害者に聴こえること。
項目のうち(5) は福祉工学が解決すべき課題そのものだ。
達氏はそれまで、音声情報を指先に伝える「触知ボコーダ」や、音の情報を脳に伝達する「人工内耳」など、聴覚障害者のための装置を手掛けてきた。
この条件は、そうした体験を持つ彼ならではの配慮といえる(その後、チャイム制作の最終段階として、複数の候補の中から最終的にどれを採用するか、絞り込むために行なわれた比較実験でも、難聴者を含む被験者が集められている)。
他の項目も、人間の心理への影響を考慮するという点で一致していて、このうち(1)の条件を満たすだけなら音響や心理学の専門家でも、人の注意を惹くブザーの様な音響を作ることは可能だ。
だが(2)に示された、次にどういう行動を取るべきか等といったメッセージを込めるには、ブザーではなくメロディーでなければならない。
その メロディーも、あまり安定的で美しい曲では、緊急地震速報として相応しくないのは当然ながら、かといって余り怖いメロディーでは、恐怖心の余り身体がすくんでしまう可能性がある。
こうした人間心理を理論的に踏まえた上で、チャイム音を作るという事は、作曲家には難しい のである。
⑧『「緊急地震速報」ラーム音 誕生の由来(3)』
(緊急地震速報チャイム開発までの経緯)
福祉工学とは一口にいえば、視覚・聴覚・触覚等の感覚と人間の心理や行動の関連性を研究する分野だ。
緊急地震速報チャイムの基本コンセプトである「緊急事態であることを察知して、速やかに避難行動をとれるようなメロディー」
を実現するためにも、この分野の第一人者である達氏に、白羽の矢が立ったのは「やはり必然だった」のである。
(あの緊急地震速報のアラーム音の生みの親である、伊福部 達氏。
工学者としてでもあり、東京大学名誉教授。
音響学と電子工学・医療工学の境界分野で活躍。
因みに伊福部 昭氏は、叔父にあたる。
因みに上記5項目のコンセプトには、叔父・昭氏が映画音楽の機能として掲げた原則が応用されている。
要するに達氏は、 地震の起きる状況を映画として捉え、チャイム音に映画音楽のようなメッセージ性を持たせれば、速やかに避難行動に移れるのではないかと考えたのである。
つまり叔父・昭氏の発案した映画音楽における原則は勿論「ゴジラ」の音楽でも活かされている。
その意味では、 「ゴジラ」の音楽と緊急地震速報チャイム は、全くの無関係ではなかった のである。
⑨『「緊急地震速報」ラーム音 誕生の由来(4)』
【なぜ緊急地震速報のチャイムは、あの音になったのか】
危険や恐怖心を呼び起こす「キャー」という叫び声を解析してみると、始まって0.2秒程で一気に周波数が上がるのが特徴だという。
そこで、音が急速に上昇するモチーフを探していたところ、同氏の叔父で作曲家である昭氏の交響曲「シンフォニア・タプカーラ」の第3楽章冒頭を使う事を、思いついた。
(危険や恐怖を知らせる音<叫び声、動物の警戒音>等は、一気に周波数が上がる音型が特徴だという。
(叔父・昭氏の作品「シンフォニア・タプカーラ」をモチーフにチャイムを構築していった)
(3楽章冒頭の構造を分解して制作していく)
因みに同じく「ゴジラ」 を使う事も考えたが、知名度がありすぎるのと、恐怖感を煽ってしまうという理由で止めたという。
「タプカーラ」 とは、アイヌ語で 「立って踊る」 という意味で、「シンフォニア・タプカーラ」 は、熊祭りで踊られるダンス等、イヌの風習をモチーフとした作品である。
第3楽章冒頭はオーケストラ全体の「ドン」という和音のあとに、弦楽器が弾くトリル的な音型が繰り返される構造で、冒頭の和音をハ長調に移調。「ド・ミ・ソ・シ♭・レ♯」の和音は、レ♯が完全にハモりきらず、緊張感を与えるテンション・ノートになっている。
更に、この和音をアルペジオ化する事で、急速に音階を上昇させ、注意を喚起する形とした。
(冒頭の和音をアルペジオ化したもの<上昇/下降)>、トリルの有無、ピアノ音/電子音など音色の違い…等、30以上のパターンを作成)
又、音色についても、単純な機械音だと家庭内のアラーム音などと被ってしまうため、様々な音を試した。
試作されたパターンは30以上にものぼった。
その後、 出来上がったパターンは7つ程に絞り込まれ、聞き取り評価実験が行われた。
これは 難聴者を含む大人/子供に各パターンを聴いて貰い、聞こえやすさや心理的影響 を調べるもの。
緊急性が高く感じられるが、不安感は少ないという結果が出た候補 について、繁華街やデパート内といった様々な騒音下、そして警報スピーカー放送時の聞こえやすさなどといった、項目チェックを行なった上で 最終決定 されたという。
(聞き取り評価実験を行い、聞こえやすさや心理的影響を調べるなどして、最終決定された。)
「緊急地震速報のチャイム音」 が完成した後は、普通に研究生活 を送っていた のだが、2011年3月11日の 大震災で、一気に注目 を浴びた。
「真似をするオウムや、チャイムを管弦楽曲に編曲する人なども現れた」と語る達氏。
「緊急地震速報のチャイムには、人の心や体を探求してきた福祉工学の知恵が詰まっている」と締め括っている。
⑩『「緊急地震速報」ラーム音 誕生の由来(5)』
【緊急地震速報 アラーム音】
「注意」
次号。
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