地震ニュース

日本地震前兆現象観測ネットワーク 5160 '21 4/9


①『本日の地震6回』

9日 23時46分 トカラ列島近海 M3.5 震度2

9日 23時30分 トカラ列島近海 M2.7

9日 22時47分 上川地方 M2.2  震度2

9日 20時44分 鹿児島湾 M1.9

9日 17時54分 岩手県沿岸 M4.0 震度2(最大)

9日 04時54分 秋田県沖 M3.1

9日の月齢は27.1、10日の月齢は28.1。


②『Nictイオノ』

赤0(稚内0、国分寺0、山川0、沖縄0)


③『篠原情報(4/ 9 11:23)』

無黒点。太陽風は平均的速度に下がっています。


④『最近の南海トラフ周辺の地殻活動(令和3年4月7日)』

概要

現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時(注)と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。

(注)南海トラフ沿いの大規模地震(M8~M9クラス)は、「平常時」においても今後30年以内に発生する確率が70~80%であり、昭和東南海地震・昭和南海地震の発生から既に70年以上が経過していることから切迫性の高い状態です。

1.地震の観測状況

(顕著な地震活動に関係する現象)

南海トラフ周辺では、特に目立った地震活動はありませんでした。

(ゆっくり滑りに関係する現象)

プレート境界付近を震源とする深部低周波地震のうち、主なものは以下のとおりです。

   (1)紀伊半島西部:3月16日から17日

   (2)四国西部:3月20日から4月1日

2.地殻変動の観測状況

(ゆっくり滑りに関係する現象)

上記(1)、(2)の深部低周波地震とほぼ同期して、複数の歪計で僅かな地殻変動を観測しました。周辺の傾斜データでも、僅かな変化が見られています。

 

(長期的な地殻変動)

GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。

3.地殻活動の評価

(ゆっくり滑りに関係する現象)

上記(1)、(2)の深部低周波地震と地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくり滑りに起因するものと推定しています。

2019年春頃からの四国中部の地殻変動、2020年夏頃からの紀伊半島西部・四国東部での地殻変動、2020年夏頃からの九州北部及び九州南部での地殻変動は、それぞれ四国中部周辺、紀伊水道周辺、日向灘北部及び日向灘南部のプレート境界深部における長期的ゆっくり滑りに起因するものと推定しています。このうち、紀伊水道周辺及び日向灘北部の長期的ゆっくり滑りは、最近は鈍化しています。

これらの深部低周波地震、短期的ゆっくり滑り、及び長期的ゆっくり滑りは、それぞれ、従来からも繰り返し観測されてきた現象です。

(長期的な地殻変動)

御前崎、潮岬及び室戸岬とその周辺で見られる長期的な沈降傾向はフィリピン海プレートの沈み込みに伴うもので、その傾向に大きな変化はありません。

上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。


⑤『小さんのコメント関連』

南ばかりではなく北にも注意!!

十勝岳の火山活動、札幌管区気象台

昨日(8日)19時44分頃から23時09分頃にかけて、山麓の監視カメラにより、火口付近で微弱な火映を観測しました。その後の状況は雲のため不明です。この現象は、火口内での高温のガス噴出や硫黄の燃焼等によるものと考えられます。

十勝岳では、2020年6月にも同程度の微弱な火映が観測され、今年に入ってからは3月13日から14日にかけてと今月7日にも火映が観測されています。

今回の現象の前後で、火山性地震の増加や火山性微動は観測されず、地殻変動にも特段の変化は認められません。

又、火映が観測された火口やその他の火口の状態にも特段の変化は見られていません。

尚、火口周辺では火山ガスの濃度が高くなっている可能性があり、注意して下さい。

〇活動評価

十勝岳では、2006年から2017年秋頃にかけて山体浅部が膨張し、その状態が現在も維持されています。火山性地震の一時的な増加、火山性微動や火山性地震と同期した傾斜変動は時折観測されており、振子沢噴気孔群や火口では地熱域の拡大や高温の状態が確認されています。

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